βになる方法(オメバパロシュナルル編)2018-04-29 Sun 22:28
こんばんわ^^
終わったー!! さよなら〇のオメガバースパロです。 本文は注意書き1p含めて35pキラキラキラ!! 滅茶苦茶短編!しかも全年齢www まだオメガとして出来上がっていないのでかなりシュナ様が危ない人wwwww というシリアスに見せかけたギャグです。スザクさんが登場しない珍しい話。 同設定のスザルルはこれから書くー 小学生スザクx高校生ルルーシュ☆ 発行はフルコード11月の予定です^^ 1 「うん?あれは何だい?」 ノーサンブリア寄宿舎は夏季休暇に伴い閉鎖する為その間寮生は全員帰省する事となる。 首都ペンドラゴンの皇宮へ向かう車の中で甘い匂いに誘われて車窓から外を眺めたシュナイゼルの目に留まったのは見慣れぬ人だかりだった。 「どうやら…殿下の弟君の一人が近くにいらっしゃっているようです」 インカムに向かって情報を問い合わせた護衛の一人がシュナイゼルの疑問にそう答えた。 「ふむ…弟の顔を見るのは兄の義務かな」 誰がいるのかを聞いたシュナイゼルはそう言って車を止めさせた。 唯の気まぐれだった。 この首都ペンドラゴンですらお忍びで散策する事などなかったシュナイゼル。 その日彼は予定にない順路でここを通りかかり、滅多にない寄り道をした。 人垣の中心は最近流行りのケーキ屋で並ばなければ買えないし午前中に目ぼしいケーキは完売する事で有名な所らしい。どおりで通りに甘い香りが漂っているわけだ。 「お前達!!僕を愚弄するつもりか!!!」 そう店の外にまで聞こえる幼い子供の高い声。 何事かと近づけば否が応でも聞こえてくる。 「貴族?」 「皇族ですって!」 「何をやらかしたのこの店」 「皇族を怒らせたならもうお終いだな」 そんな言葉達。 どうやら雲の上の存在である皇族を一目でも見ようとするミーハーな人々が作る人垣――――ではなかったようだ。 弱肉強食を国是とするブリタニアにおいて皇帝の次に皇族という存在は重要だ。 ヒエラルキーの天辺に最も近しい高貴なる存在。 彼等が白と言えば黒であろうとも白になる。 そこらで威張り散らしている貴族なんかよりもよっぽど―――――質が悪く怖ろしい存在。 普通は店を貸しきったりせず、皇宮まで足を運ばせるものなんだけどね。と内心で呟いてシュナイゼルは野次馬という名の人垣に近付いていく。 店内を窺い知る事の出来る位置まで移動すれば激昂する少年と数人の護衛の姿が見えた。 そしてシュナイゼルのいる入口の方に背を向けて彼等と相対する――――子供が一人、自分より小さな少女を背に庇い守る様に立っていた。幼い少女のすぐ脇には車椅子があり少し離れた所で額を床に擦り付ける店員らしき者が一人。 どうやら”不興”を最初に買ったのはその子供二人と店員一人のようだった。 突然皇族と名乗る少年がこのケーキ屋に現れ店内にいた者達に対し僕の貸し切りだから出ていくようにと命令。車椅子で咄嗟に動けなかった妹を半ば無理やり、乱暴に動かそうとした店員とそれを止めようとした兄である子供が衝突し車椅子から少女が落ちて大きな音を立てた事に端を発しているらしい。 そして少年は圧倒的弱者である幼女へと暴言を吐いた。 聞き捨てならないと――――子供が皇族と名乗る少年に撤回あるいは謝罪するように立ち向かった、と。 ただそこに立っているだけでそれだけの情報と事の顛末を知り得たシュナイゼルは何とも無謀なという感想を抱いた。 それとも―――知った上でやっているのだろうか? 「お兄様…」 不安そうに傍らの子供を見上げる少女は不自然な程に瞳を閉ざし続けている。 ―――目が見えないのだろうと察しの良い者は気づいた。 対する子供は帽子を目深く被っている為遠目にはわからないがそんな少女を安心させるように微笑んだ。 「僕は皇族だぞ!!!わかっているのか!?」 こんな扱い生まれてこの方受けた事がない!!! 顔を真っ赤にして無視された少年は怒鳴る。 「さっきから皇族皇族言っているけど、それを証明できるのか?」 臆する事なくはっきりと子供は言い放った。 皇族に対する完璧な不敬罪だとこの店の店員全員が青ざめ空気が凍る。 それを横目に捕らえた子供は憂う。 この少年は皇族を名乗っているだけであるのに誰も逆らえない。 疑う事すら恐れ多いと無意識下で判断してしまっているのだ。 騙る事のリスクを知っているからとも言えるが。 そもそも―――――皇族である事が人を人として扱わなくていい理由になんかならない事に気づかない。 天変地異?違う。 間違っている!!これは人災だ!! 妹に対する暴言許すまじと頭に血が上っている子供は気づいていない。 皇族は公務について初めて世間から認識されるのが普通だ。本当に皇族かどうかなんて一般人はわからない。 彼等が知っているのは皇族の怖ろしさだけなのだ。 「僕は……第17皇位継承者ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアだぞ!!!!」 さあ跪け!!! わなわなと震え少年は目の前の自分の誘いを断ったいけ好かない子供が泣いて土下座する様を想像し踏ん反り返った。 対して――――子供は瞳を真ん丸にした。 「……」 さて、この名乗りにシュナイゼルは眉間に皺を寄せた。 皇族としての品位が疑われる或はそんな弟がいたかな――――と、思ったわけではない。 ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアという弟は確かに存在する。さらに言えばその母マリアンヌ皇妃は一般庶民の出である。 確かに店を貸し切って自ら足を運ぶという事をする可能性はあった。 しかしその弟ルルーシュは母のマリアンヌ共々随分前に皇宮を出奔していた。兄であるシュナイゼルでさえルルーシュが本当に赤ん坊の時ちらりと見た程度の面識しかない程だ。 とはいえこの件は極秘。第二皇子という立場上シュナイゼルはその情報を知っていただけだ。一般には知られていない。 マリアンヌ皇妃から譲り受けた黒髪のルルーシュ。しかし目の前でルルーシュを名乗る少年は―――赤毛。 …明らかな偽物だった。 が、公務についていない皇族の容姿も臥せられているから一般人がその特徴を知る機会はない。 さて、この少年は一体誰から弟の名を聞いたのだろうか。 背後にいる者は何を目的としているのか。 このお膝元であるペンドラゴンで皇族を騙る者が出るとは……たいした度胸だと逆に感心すべきかもしれない。 このブリタニアでそのような行いをして無事で済むはずがないのだから。 本当に興味深いのは―――――相対しているこの子供の方だ。 シュナイゼルの視界の端に少年の護衛が、店員が皇族に無礼な口をきいた子供を拘束すべく動こうとしているのが見えた。 いやそもそも――――子供が相対する前に、最悪した直後に取っているべき行動なのだが…何故それをしていなかった? 店員や護衛が愚鈍だった? それとも他に何か理由があった? さて――――― 「あれ?シュナイゼル兄上」 足を踏み出そうとしたところで後ろから声を掛けられた。 振り返ればこの近くの自らプロデュースした店を視察しに来ていたクロヴィスがいた。 どうやらこの騒ぎを聞きつけて出てきたらしい。 そもそも年齢も母同士の交流もあるクロヴィスが近くにいると聞いたからシュナイゼルは車を降りたのだが。 「久しぶりだね。クロヴィス」 「はい、お久しぶりです」 そんな呑気な会話をしていたからかどんどん偽ルルーシュの癇癪はエスカレートしていく事となる。 子供が――――嗤ったのだ。 「何がおかしい!! お前達が皇族である僕に逆らおうなんて百光年早い!!!」 いけたかだかにそう言う偽ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアは――――子供を平手打ちした。 転がる子供と帽子、小さな悲鳴を上げ必死に手を伸ばして兄を探す少女。 誰も子供を助け起こす大人は居ない。 倒れる時にちらりと見えた子供の髪はブリタニアでは珍しい黒だった。 「申し訳ありません!!!」 どうかどうかお許しください!!! 店員は地に頭を擦り付けんばかりに謝罪し店の他の店員も何とかとりなして貰おうと必死である。 皇族の不興を買う事の恐ろしさを彼等は身に染みて理解していた。むしろそれを理解していないのは―――――… 「許さない。 皇族に対する不敬罪は万死に値する!! 三親等いいや――――一族全て皆殺、し」 そこでびくりと偽ルルーシュは言葉を切った。 「君は皇族じゃない。 否定材料は3つ。 1つ―――――君の発音には南部の方の訛りがある。 このブリタニアの中心であるペンドラゴンの皇宮で育ったはずの皇族がそんな訛りあるはずがない。 2つ、姿勢の悪さ。 最高級の教養を身につけるように教育されているはずの皇族がそんな猫背の訳がない」 子供が立ち上がる。 正面にいる者達は射抜かれたように制止する。 やはり、皇族と名乗っている相手が偽物だとわかった上での態度だったわけだ―――。が、スマートなやり方ではない。敵を作りすぎるきらいがある。子供らしく感情的になっている所為だろうか? いいや、苛烈であり激情型。それがこの子供の本質――――。 スポンサーサイト
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